(メモ)苺と桜
苺
降参です。意味がわかりません。ベリャーエフ「難破船の島」第4部第2章、衣装箱にあった、(物語の中の当時より)少なくとも二百年は前のスペインの装束について、こうあります。
Камзолы из аксамита (бархата) — малиновые, голубые, красные — были расшиты золотом и осыпаны жемчугом. Манжеты и фрезы (большие воротники в несколько рядов) из тончайшего кружева, шелковые шнуры «бизетт»[1], блонды[2] цвета небеленого полотна — все это поражало своей роскошью и тонкостью работы.
現状の拙訳は、不明の下線部は直訳にして、こうです。
天鵞絨[ビロード]の胴着[ダブレット]は──赤紫や淡青や赤のものがあって──金の刺繍があり真珠を鏤めてある。極めて精緻なレース襞襟[ラフ](数連の大きい襟)と袖口[カフス]、絹《ビゼト》〔原注:衣服を装飾するための色糸〕の紐、無漂白リネンの色のブロンド〔原注:絹のレース。名称は黄色みを帯びているため仏語blond=わら色から〕──すべての豪華さと細工の洗練に息を呑む。
下線部はфрезыの補足説明と思われます。調べた結果фрезыの単数形はфрезаに違いなく、仏語fraiseに由来する語で露語ウィキペディアの見出しは英語系のрафになっていました。
つまりひだ襟のことです。こういう襟はいくつかの布を帯のまわりに縫い付けて首に巻いていると思われます。
www.youtube.com下線部の前半большие воротникиは大きな襟(複数)で解釈に問題はありません。後半в несколько рядовは英語に書き下せばin a few/several rowsです。何が言いたいのでしょうねえ。一つの襟を複数のレース(lace)を並べて作ること?すると各рядは襟ひとつということになりそうです。でも襟を、服と独立している輪っかと思ってそれを積み重ねて収納したと考えるとそんな襟の塔がрядとだって考えられるような。。。何の列なのか、何の一続きなのか、(私には)あいまいなのです。レース自体にもrowの概念がありそうですが、よくわかりません。
先達はどう解釈されたのでしょうか?手元の英訳、仏訳を紹介します。
英語版(Maria K.)は、はっきりしませんがたぶん下線部あたりはlarge layered collarsでしょうか。「大きい幾重か重ねた襟」と読みなさい、ということでしょうかね。 重ねて付けるのかしら、それとも積んである(stacked)のか、それとも襟に層構造があるのか、ああわかりません。
仏語版(Viktoriya et Patrice Lajoye)のほうは下線部の後まで大きめに引用するとdes grands cols sur plusieurs lignes de dentelle très fineらしく原文と同じくらい(私には)わからなくて、敢えて読み下すと「幾筋?もの・・・レース上の大きな襟」という感じでして字面はрядをレースにつなげて読んでいる印象です。
依然わからないのです。
桜
これは余談ですらありません。二点画像を添付します。
これは本日の本牧山頂公園内の風景です。奥に写っている白い桜の木について・・・
実はもう一本あって、この二本が老木にて弱っているため人が立ち入れないように縄が張ってあります*1。近景は数日前に撮ったものですが、保護のかいあってか今日も元気でした。
*1:人が近くに寄るといけないものなのか私はわかりません。子供が登ったり、蹴りつけたりしないようにということでしょうか枝が折れて落下してきたり倒木のおそれがあるということです