ある日本人の英語

H. G. Wellsの小説「Kipps: The Story of a Simple Soul」の翻訳出版に向けた作業ブログ a one-man effort to translate a novel by H. G. Wells, “Kipps: The Story of a Simple Soul” (1905) into Japanese and publish the results

近況:電子出版

この記事は、近況メモで、いつも以上に、さしたる構想もないのでだらだら書かせていただく。

しょっちゅう、ちょこちょこ直したり描きたしたりしているけれど、このところ形式的には、表紙の絵もあるし、EPUBの形式にはなっていて漸近的に完成に向かっている、と言えると思う。

昨日、アマゾンのKDPのページでKindle形式にして縦書きになることも確認できた。正確に言えば、その一日前からやっていて縦書きにならなかったのだけれど、CSSの縦書きの指定を書き足しているうちに縦書きになった。やろうとするまで、EPUB3の形式から直接変換してくれるとは知らなかった。

結果今は審査を受けている状態だ。権利の証明方法がわからない。原作は明らかにパブリックドメインにある。Kipps: The Story of a Simple Soul の日本語訳がない、というのは皆が言っていることだ。正確には見当たらない、ということなのだろうけれど。だから全訳を提出して、それが自分のものだと言えば、相手にはそう信じていただくしかないような気がする。

翻訳作品の出来栄えは、自分でもよくわからない。日本語として読めるようにはなっている。あれ、何だって、と思うところがないでもない。原文のよく理解できているところとあいまいなところがあることは確かなのだけれど、原文を読んだときの印象をかなり忠実に日本語で表現しているつもりだ。息の長い本文や、聖書やら文学作品やら流行歌の引用や、しゃれや、ことばの誤用やなまりが、障害になるけれど。

なまりは、ほぼ反映をあきらめた。原文会話文中に「gel」とあっても「ゲル」とはせずに「ギャル」か「女の子」としただろうと思う。だが、反映を試みたところもある。たとえば、「nace novels」を「シバラシイ小説」とし、「long taime」は「長いキカヌ」としてみた。息音Hの音を脱落させるのも、ときには反映させた。「ほら」を「おら」としただけでは気づきにくいけれど、本文にわざわざいい間違えた旨書いてあるので、そこはそうするのが自然だった。

今は、電子出版のことより、紙出版用にPDFを作る方法が気になっている。分量が多いので、XSL-FOかTeXを経由するのが順当だと思うが、Microsoft Wordでぐちゃぐちゃやるかも知れない。