ある日本人の英語

H. G. Wellsの小説「Kipps: The Story of a Simple Soul」の翻訳出版に向けた作業ブログ a one-man effort to translate a novel by H. G. Wells, “Kipps: The Story of a Simple Soul” (1905) into Japanese and publish the results

雑談:おがくずで床掃除

Kipps上巻二章二節に、服地商店の閉店後の床掃除に大鋸屑を使うという話が出てくる。拙訳からその箇所の段落を引用する。

七時半になると─夜が遅くなってしまう場合を除いて─熾烈な「整頓」の作業が始まる。外に出る最後のシャッターを下ろす前に、キップスは設備やカウンターの上に積まれたウェアに、弓を発つ矢の勢いで覆いを被せ始める。この準備のあと、ぬれた大鋸屑を猛烈に撒いて店の外に掃き出すのだ。

この舞台はイギリス、フォークストン、たぶん、18801890年台終わり頃の設定だ*1

ちょっとGoogleしてみると現実に使われているのがわかる。

まず、モスクワの地下鉄でも同様な方法が使われているらしい*2

また、日本国内でも鉄道の駅には大鋸屑が備えてあるそうで、ある意味、同様だが、ウィキペディア「おがくず」の項に引用してある次の記事をみるに、駅に酔っ払いの多い我が国では特に役立っているのかもしれない。

駅に置いてある「おが屑」の使い道って? (2008年2月4日) - エキサイトニュース

ある日本人の英語

The entry has noted that Kipps: The Story of a Simple Soul (1905) mentions use of sawdust for cleaning shop floors (Book 1 Chapt. 2). A quick Google search shows that such usage is real and still practised all over the world today. A linked article elsewhere explains how railway stations in Japan keep sawdust handy and when they find it most useful.

 

*1:ウェルズより11歳くらい年下の(1878年9月1日生まれの)キップスが21歳ごろ

*2:Dmitry Chemankov, Sawdust floor cleaning - YouTube, Nov 19, 2016